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鑑定書の取り方

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ブルンズウィックの一番切手二枚貼りカバーは僕のコレクションの中でも自慢の一品だったのですが、PHILANIPPON2011でエキスパートチームより、偽物の可能性あり、鑑定書がつかない限り次回の展示を認めないと裁定が下ったマテリアルです。

タイしていないカバーは狙われやすいというのは聞いていましたし、エキスパートチームは疑わしいマテリアルにはこのような裁定をくだす事は事前に決まっていたルールですので、それは私も受け入れて競争展に望んでいます。

しかし、本物であれば威力を発揮するカバーだけに、死蔵するのが勿体ない。しかし鑑定書の取り方も今一よく分からない、で本当にギリギリになってしまい、Australia2013コミッショナーの長島さんにはエキスパートチームとのやり取りの労をしていただいてしまったのですが、先月ようやく真正なマテリアルであるという鑑定書を取れたので、その時にポイントと思ったことを書いておきたいと思います。

1.鑑定書が必要な三つのケース

a) 自分が真正か判断できないマテリアルの入手にあたり、エクステンションをかける場合
 オークションだけでなく一部の個別取引でも、エクステンションビッドをかけられる場合があり、しかるべき鑑定書が得られなければ取引を中断し元に戻すことができます。

b) 売却にあたり、鑑定書を求められる場合
 自分の所有マテリアルの売却にあたり、オークションハウス等ディーラーや購入者から鑑定書を求められる場合があります。

c) 競争切手展での展示において
 エキスパートグループが求めた場合はもちろん必要ですが、同一の作品で鑑定書が添付され明示されたケースとそうでないケースでは前者の方が加点要素が多くなります。

2.鑑定書だったら何でもよいのか?
僕はゼネラルコレクターなので、色々な国の、色々な時代の切手の鑑定書を所有しています。また特に商売に直結するためシビアなオークションハウスとのやり取りで分かった事は、どんな鑑定書でもよい訳ではないということです。

日本の切手でも「あのマテリアルは鑑定書があるけど、偽物なんだよね」という話をその分野に詳しい収集家から聞くことがあります。これは世界的傾向です。特に広い範囲の切手すべてに対して鑑定を行っている人の鑑定書は危険です。これは時代とエリアにもよるでしょうが、少なくとも日本切手に対して日専すべてに掲載された全マテリアルの鑑定を一人ができるというのは僕は信じられません。

世界ではもっと強者が居て、ほとんど全ての切手の鑑定書を発行する人がいますが、ざるもいいところです。その鑑定書を見ても、全く細部を見ていないし、場合によっては画像だけで鑑定しているのでは?と疑うこともあります。

ちなみに今回ご紹介したカバーはGerman Statesの中でもブルンズウィックという一ヶ国のみの専門家であるランゲさんを指名してお願いしました。このように現在鑑定家が存在する国の切手の収集はある意味安心です。ロシア切手の鑑定書を以前取ろうとした時に、該当鑑定家が存在しないというケースがあり、入手を断念したこともあります。鑑定家が揃っていないとその国の収集は敬遠される事になると感じました。

また、時代の古い鑑定書の中には間違いがあるのも事実で、僕はドイツやスイスのキーアイテムの一部については鑑定書の年代が古ければあえてエクステンションをかけて現在の鑑定書をつけてもらっています。スイスのカントンの切手は最近になって更にプレーティングの研究が進みつつあり、また科学的な鑑定方法も編み出され、それは昔に比べて比類無き信頼があるからです。もっとも先ほども書きましたが、当該分野の鑑定家がいないケースの場合は昔の鑑定書に頼らざるを得ない場合もでてきますが。

競争切手展の鑑定では余程キーアイテムで無い限り、鑑定書の信頼性については突っ込んで指摘を受けませんが、ご自分のアイテムをオークションで売ろうと思ったときにこの点はシビアにオークションハウスに求められる事がありますので、重要な留意点です。

3.鑑定書の取り方

これは結構めんどくさいです。(1)誰にお願いすればいいのか?(2)コンタクト(3)郵送(4)支払い(5)期間 と言ったところがポイントでしょうか?

(1)誰にお願いすればいいのかは、もう調べるしかないですね。僕はドイツもスイスも本国のオークションハウスやフィラテリストと連絡をとり、教えてもらっています。WEBでも調べたことがあるのですが、どこまで信頼してよいのか分からず、参考情報にしています。

(2)コンタクトについては、鑑定家の大半はメールで連絡がつくので楽です。彼らはビジネスなので効率化していますので、メールを使えない人はある意味少ないと思います。この点は助かりました。

(3)郵送で気をつけたいのは、鑑定家が受け取るときに消費税を取られないことと、保険料についてです。僕はStamp for expertization and to be resend to Japan.と明記した上で保険をかけてEMSで送付しています。(EMSの項目にはstampがあります。)

(4)外貨送金は心配な人もいるかもしれませんが、まぁ銀行に相談すれば昔よりはるかに便利です。またクレジットカードやPaypalを受け付ける鑑定家もかなり多いので、便利です。先ほども書きましたが、鑑定家は、鑑定書の発行でビジネスをしているので、連絡や支払いの効率化には理解があります。

(5)期間はなかなか読めないです。僕の勝手な推測ですが、一見さんの依頼は後回しになる事が多いように感じます。スイス切手の鑑定について自ら行った時に3ヶ月ほどかかり涙目でしたが、大手オークションハウスでエクステンションで入手したアイテムを同社が同一人物に鑑定に出したところ、一週間かかりませんでした。まぁ前者と後者では圧倒的に前者の方が鑑定が難しいのではありますが、この比較をして以来、僕はなるべく大手オークションハウスやディーラー経由で依頼をするようにしています。

思いついたことは以上です。
ご要望があれば、またまとめたいと思います。
下は、無事取得した鑑定書です。

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[ 2013年04月08日 10:11 ] カテゴリ:競争展のルール | TB(0) | CM(2)
ロシア切手の専門家
こんにちは
菊・田沢切手部会報を見てブログを開設されていることを知り、訪問させていただきました。
有益な記事が多く、楽しく一通り読んだところです。
ところで、ロシア切手の鑑定書を取ろうとしたとき該当鑑定家が存在しない云々と書かれていますが、ロシア切手は各分野に専門家いるので、鑑定書の入手は難しいようには思えないのですが・・・
例えば、帝政ロシアでしたら、スイスのMIKULSKIは、ロシア切手のFIP展グランプリを受賞したこともある専門家で、高齢ですがAIEPの会員なのでまだ大丈夫と思います。また専門収集家団体である英国のBSRPや米国のROSSICA等は鑑定サービスを行っておりますが、信頼のおけるものだと思っています。
[ 2013/06/01 11:52 ] [ 編集 ]
Re: ロシア切手の専門家
コメントありがとうございます。私も年初くらいからcpsjさんのブログを拝見しております。これからどうぞよろしくおねがいします。

さて、cpsjさんはロシア切手のSpecialistとしてのミクルスキーさんの存在をご承知のようですね。そうすると話が早いのですが、彼は既に五年前に鑑定家としての新規受付をしないことを宣言しています。ちなみに年初に彼についての話をルーマニアのコレクターとしたときはご存命とうかがっております。

色々な鑑定のやり方があるでしょうが、蓄積された過去のマテリアルや贋作が多いマテリアルは、それらと鑑定対象の比較を出発点とできますので、単片の値段も高く、著名なコレクターがこぞって収集したファーストシリーズ等はミクルスキーさんに頼らなくても他の団体への鑑定で問題ないと思います。

しかし、ポスタルヒストリー人気の高まりに連れて、そう言った蓄積のない切手、ロシア帝国で言えば例えば1860年代の切手のカバー等の鑑定をするにあたり、高度に専門家した判断のできる鑑定家に頼りたいマテリアルが発掘されているにも関わらず、その希望を満たす鑑定家以外に頼まざるを得ない状態になっており、そういったマテリアルについては、オークションハウスが必要条件とする水準の鑑定家による鑑定書が必ずしも発行してもらえない状況です。

日本では鑑定書はある程度の加盟団体の基準さえクリアしていれば良いと考えている方が多いと思います。一部の鑑定家はそれこそ世界中の切手に対して鑑定書を発行しますし、それでもいいと思う人もなくはないでしょう。
ご自分の収集や当面の競争展であればそれでいいのですが、問題はオークションハウスでの処分時(あと、私は未体験ゾーンですが、競争展でLGの水準になるとキーアイテムについて鑑定書の鑑定家を適正な鑑定家に差し替えることも求められるようですね)で、ここでNGになることが少なく無いそうです。

[ 2013/06/03 01:21 ] [ 編集 ]
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