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切手収集は、制約の少ない趣味として成立すると私は考えています。

先日発行した samp club のコラムで記載したのですが、私は『切手収集は制約の少ない趣味で「しなければならないこと」や「してはいけないこと」はほとんど』ないという立場です。

私がこの立場に立脚しているのは、少年時代に「あれはだめ」「こうしなければだめ」という教えを沢山受けたにも関わらず、僅か数年後にそれが正しくなかったという事を知った為、切手収集が面白くなくなっていったからです。

ヒンジを使わないのはおかしい、アルバムリーフに整理しないとダメ、シート買いはダメ、切手を売ってはダメ、必ずピンセットを使わなければならない、
これら全部私が子供の頃に受けた指導です。人によっては何で僕がこれらをやり玉にあげているのか?と不思議に思う人もいるでしょう。ですが、僕が問題視しているのは、これらの指導が考え方やベースの指導でなかたことです。そして、独りよがりのオプション無しの制約を沢山与えている事に鈍感である点を問題視しています。

子供は馬鹿ではありません。特に後々になるまで収集を続けて行く様な層は少年時代の記憶もしっかり覚えている層です。だから、「子供に分かりやすく伝える為に簡単にしたんだ」という言い訳はききません。なるべく制約をなくした上で、本当に必要な点だけを最初に示した上で、考え方を教える事が大事だと思います。






ここから種明かし。


「ヒンジを使わないのはおかしい」という制約が不要な理由

・切手商においてほとんどの場合、ヒンジありと無しの間には大きな価格差を設けています。
・切手の製造面の研究において、糊は重要な要素の一つです。
・競争展における未使用の扱いにおいてポストフレッシュなマテリアルである事は、特にクラシックにおいて重要な加点要素。
・ジュニア同士でも、ヒンジ付きは嫌われる。

=>どう指導すべきだったか。
「未使用はなるべく買ったままの状態を保つ事が大事。一方整理道具にお金をかけない事も大事。単価を算出すると、ヒンジ@0.2円, マウント@2円なので、その未使用切手の購入にかかった価格と比べて、どちらの整理用品を使うかを考えよう。」



「アルバムリーフに整理しないとダメ」という制約が不要な理由

・むやみな仮貼りで切手をいためるリスク(前項のヒンジ問題もあり)
・アルバムリーフはプレゼンに最適であり、整理には必ずしも最適でない事実
・意味ない手間がかかりすぎることを必須にする必要はない。
・アルバムリーフを一切作成しない、一流コレクターも世界中には沢山存在する事実

=>どう指導すべきだったか。
「実物の切手を他人に見せること(プレゼンテーション)に最適な方式がアルバムリーフです。切手は個人の財産である一方、人類の文化財でもあるので、特に希少な切手を所有しているコレクターは、その展覧をする態度が賞賛されます。」


「シート買いはダメ」という制約が不要な理由

・製造面の研究で通常、最大のマルチプルはシートだから。
・切手商でも、シートの状態の方が単片の集合よりもはるかに高価な切手がたくさんある。

=>どう指導すべきだったか。
「切手の製造面を理解する上ではシートの形は大事です。しかし一方でジュニアの皆さんはお小遣いを予算立てて使わなければなりません。シートを一つ買って後は何も買わないか、それともシートを我慢してほかの物を買うか。どちらもあなたの自由ですから、自分がより楽しめそうな方法を選択してください。」



「切手を売ってはダメ」という制約が不要な理由
・それがダメなら切手商は皆ダメという事になってしまう。
・それがダメならヤフオクで切手を売っている人は皆ダメなことになってしまう。
・士農工商の身分格差は明治時代になって廃止されているから。

=>どう指導すべきだったか。
「限られたお小遣いを有効活用するには、自分の中の重品を処分することも大事です。しかし二つ程気をつけた方が良い事がありますので、気に留めておいてください。
 一つは自分が重品だと思った切手であっても微妙に違っているバラエティーだったということがあります。ですから後で後悔しない様に勉強し研究した上で手放すかどうか決めるべきです。
 二つ目は買ってくれる人を嫌な気持ちにさせないということです。切手収集の世界は狭いので、悪い事をするとあっという間に噂が広がります。買った値段よりも高い値段で売る事ももちろん構いませんが、その時に嘘やごまかしを入れない事です。一度でもやると取り返しがつかなくなるからです。」


「必ずピンセットを使わなければならない」という制約が不要な理由
・シートやカバーをピンセットでいじると逆に傷がつく。
・百枚束や使用済みのロットをいじる時には必ずしもピンセットは使用しない。
・大事なのは、切手を傷つけないためにはどうすればいいかを考える事を常に行う事。

=>どう指導すべきだったか。
「コレクションは傷がつく度にその価値を失って行きますから、傷つけない為にどうしたらよいか常に考えてください。風通しや埃防止、湿度管理も大事です。また、コレクションを目の前で見たい時には、未使用の比較的小さな切手であれば、切手用ピンセットを使ったり、シート等であれば、ビニール手袋で触る等、とにかく自分のコレクションに傷をつけない事が大事です。逆に使用済みや封筒は、手で触る機会も多いでしょうから、その時には手の油分を抜く事が大事で、こまめな手洗いをしましょう。
 次に他人のコレクションを触るときはもっと注意深くならなければいけません。というのは、どのような切手も個人の財産であり、奪ったり傷つけたりしてはいけないものだからです。ある切手がある時に、それに対する所有者の気持ちは千差万別ですから、まず勝手に触らない事が大事です。そして許可が得られたら、とにかく持ち主の意向に配慮して傷つけずに見る事が大事です。」



※ ちなみに、私が切手収集でまず大事だと思う二点はstamp club創刊号6,7ページにコラムとしてまとめました。


関連記事
[ 2013年05月05日 19:36 ] カテゴリ:opinion | TB(0) | CM(7)
ジュニア振興策
昔の郵趣本や雑誌を読むと、その指導はかなり過激です。

アルバムに整理した切手でなければコレクションではない
ストックブックしか持たない人は収集家とは呼ばない

これらの表現には一番驚きました。
私が収集を始めた平成15年頃には収集のノウハウを教える本がなかったので(今でもありませんが)、
近所の図書館で70年代80年代に発刊されたジュニア向けの本を借りてきて読みました。
内容にショックを受け、収集は一時中断しました。笑
切手収集は難しく、制約の多い趣味だなー、と、子供心に感じたのを覚えてます。
何しろ、さくらカタログ、ピンセット、ストックブックしか持っていませんでしたし、
用品を買うのに目白までの電車賃を考えても、小学生にはキツすぎます。アルバムも高価ですしね。

切手に興味を持った頃、
さくら、ピンセット、ストックブック
(さくらは本屋でたまたま見つけ、ピンセットとストックブックは親父が教えてくれました)
この3点は近所の文房具屋で揃ったので、すぐに収集の体制は整ったのですが、
ジュニア向けの指導書を読んで挫折しました。本末転倒です。

時代もあるのでしょうが、今となっては役に立たない本です。
内容のすべてを否定するわけではありませんが、
上記のような過激な線引き表現の1点において、アウトでしょうね。

幸い、私はすぐに再開しましたが、普通ならそこでおしまいの人が多いと思います。

早急に、ジュニア向けの収集法のガイドラインを発信していく必要がありそうです。
収集に制約は必要ありません。
吉田さんのパンフレットを受け取って興味を持ったジュニアが、過去の指導書を手にし、
悪影響を受けないよう願うばかりです。
[ 2013/05/06 00:35 ] [ 編集 ]
もう一点
あと、日本切手で言えばデータの読める使用済みを「悪消し」として定義したことも該当すると思います。ここからは個人的な感想ですが、データの読める使用済みの収集が主流となっている現在、コレクションを制約する上での悪影響の一つだと思います。20年くらい前、親交のあったご年配の収集家が「俺たちの時代には、データの日付が読める消印は悪消しと読んで避けてたんだよ」と話してくれたのですが、当時から非常に疑問を感じていたとともに、そんな制約を流布していたのは「誰」なのか、今でも知りたいものです。
[ 2013/05/06 08:00 ] [ 編集 ]
昔の郵趣本の、不適切な指導法についてのご指摘について
きどさん、shiggyさん、コメントありがとうございました。
これら三つの中には時代が変わったから認識が変わったものばかりではなく、当時から世界の収集の潮流として間違っているものもあります。私の推測ですが、当時の指導本の著者は必ずしも海外の事情に直接触れて指導書を書いたのではなく、ごく一部の限られた人からの情報しか得られなかった可能性があると考えています。

海外の切手収集に関係する情報発信元としては、様々な集め方の収集家以外にも競争展主催者、整理文具メーカー、カタログ出版社、雑誌出版社、郵趣団体運営者、オークションハウス、切手ディーラーと様々な立場があり、これら全てと広く交流しないと、なかなか良著の指導書を書く事は難しかったと思います。

過去の犯人探しについては、誰がアルバム作りでヒンジ貼りを推奨していたかを突き止めるべくやった事があり、予想と違う人が結論ででてきましたが、分かったところで、ヒンジを貼ってしまった貴重なコレクション(私の場合はカラーマーク付き現行切手です)がもとに戻るわけでもなく、今後のジュニア振興にも役立たないので、それをブログで発表するつもりはありませんし、私自身はこれ以上やるつもりはありませんが、ほかの方がやられるのはもちろんおとめしません。こっそり教えてください。

いずれにしても、これら間違った指導に対する反対Q&Aをスタンプクラブホームページの方にあげるべく準備をしたいと思います。
[ 2013/05/06 10:59 ] [ 編集 ]
初日カバーのカシェ収集について
先日、Y.E.さんからのコメントでのご指摘で、米国では昔から競争切手展に、初日カバー部門というのがあって、カシェの美しさを競う(細部違っているかもしれませんが)という事を聞き、その時僕は「それは郵趣っぽくないなぁ」と思ったのですが、後で思い直してみると、僕の発想はそれこそ昔からの誤った指導書による洗脳で頭が凝り固まっている証拠でした。

その証拠に、僕も含めて日本の戦前を集めている人々の中には、カール・ルイスカバーを珍重する傾向があります。あれに大枚をはらうかどうかは別として、「カール・ルイスだけは別もんだよね」と思っている自分がいるのですが、初日カバーのカシェに一切意味が無いのであれば、カール・ルイスカバーにだって意味はないはずで、全く論理的ではないのです。

やはり「切手収集が制約の少ない趣味として成り立つ」と考えている以上、初日カバーの競争展も否定すべきではなく、その真髄を理解しなければならないという考えに今はいます。
自分の知識不足である収集を理解できないのは許されますが、無知が相手の攻撃に向かうのは恥の上塗りだと思っています。

切手市場等のお店で、1枚1枚切手をコンプリートするのに興味を示すジュニアもいるかもしれませんが、何でも一通50円の初日カバーをカシェの美しさからはまるジュニアも十分あらわれると思います。
その収集に対して「カシェに意味が無い」という指導をするのは余慶なお世話ではないでしょうか。そもそも切手自体を集めていない一般人からすれば、「初日カバーのカシェ違い」も、「エラー切手と正常切手の違い」も「チューリッヒ6ラッペンのポジションによる違い」も全部同じくらいの程度で意味がないわけであって、「意味が無い事をしている大人が、意味が無い事をしている子供をけなしているだけ」という一般常識から見て誠に情けない状況にあることを私たちは再度認識しなければなりません。

そして一般的には「意味がないこと」に郵趣家は楽しみを見つけているのですから、お互いがやっている「意味のないこと」同士、心を広く受け入れたいものですし、自分が分からない範囲については、たとえ相手がジュニアでも教えを請うべきだと思います。


[ 2013/05/07 18:58 ] [ 編集 ]
初日カバーなど
初日カバーのカシェ違いは、興味を持つジュニアが多そうですね。
激安な均一価格で売られている初日カバーは、ジュニアにとって今日では、実逓カバーよりも集めやすい対象でしょう。
カール・ルイスカバーのカシェ違いを例に出されているように、しっかり郵趣の一分野として確立していると思います。少し意味合いが異なるかもしれませんが、同じ例として、明治時代の絵封筒もそれに該当するでしょう。

日本切手の専門家などでは、初日カバーの版元違いを収集している方もいますし、初日カバーカタログも過去に発行されています。琉球の分野でも、カシェ違い、版元違いを研究している専門家は米国にも多数いますし、また自分もコツコツ買い集めています。

一般的には、ある分野の切手を伝統郵趣的に集めている人が、その分野の初日カバー版元収集に進むケースが多そうですが、ジュニアの中で、初日カバー版元違いの収集から、その切手の分野に興味を持ち、実逓カバーや製造面収集などに発展するケースも考えられます。

若い収集家の可能性を摘み取る郵趣家にはなりたくありませんね。
[ 2013/05/08 10:41 ] [ 編集 ]
ジュニアの初日カバー収集
きどさんのような集め方をするジュニアもいるでしょうし、逆の例として僕は、ジュニアの初日カバー収集が、一つの切手一通ずつの収集で完結したって構わないと思います。

それが楽しかったという想い出さえあれば、多くの切手収集家がその道をたどるように、一旦収集から離れ、仕事や家庭が落ち着いてから切手収集に復帰するように、戻ってくる人もいると思うからです。

30年後の郵趣人口を確保するためのベース作りとしては、とにかく、様々なセグメントに分けて、それぞれにヒットする施策を人手に頼りすぎずやることが大事だと考えていて、競争展から切手切り絵まで一つとしてマイナスになるものはないと考えています。それぞれの活動をしている人が、他の活動を妨害しないことがまずは大事だと考えています。

そして、既に日本郵趣協会さんや日本郵趣連合さんが手がけられている分野については協力し、未着手の分野については、第三軸であるスタンペディアが色々と手がけていくことができたらいいな、と考えています。
[ 2013/05/08 11:41 ] [ 編集 ]
なんでも鑑定団ありがとう
 昭和の時代とくらべておおきいにはなんでも鑑定団の放送があります。
 にせものをかましたお客が鑑定団で恥をかかされたら、どんな報復があるかわかりません。
 消印のにせものつくり技術も向上しましが解析技術も進歩しました。
にせものに対する抑止力は強くなっているのがありがたいところです。
[ 2013/05/12 01:22 ] [ 編集 ]
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