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切手の貼り絵や風景印の収集が、切手業界を活性させるか否か

切手収集は、制約の少ない趣味として成立すると私は考えています。」という記事を五月初めに書いたところ、非常に多くの反響をコメント欄でいただき、建設的な意見交換をそこで行う事ができました。

そこから少し離れますが、今回は、郵趣の裾野を広げる目的で取り組まれている、切手の貼り絵や風景印の収集について、私の考えを書きたいと思います。

郵趣にどこまでの範囲を入れるかの定義は人により異なります。認定の権威は世界的にもないため、(FIPはあくまで競争展の開催元であり、競争展出品者、審査員等以外の郵趣家については決定が及ばない)人により解釈が異なっても私はいいと思っています。

言論の自由ではありますが「あなたの集めている事は郵趣ではない」という発言は、言われる側の気持ちを考えた上で言うべき究極の発言だと私は思います。言われた側の気持ちについての無理解は、自分をその場に置き換えてみると推測可能です。

子供の頃に、東京都練馬区にオームスタンプという切手ディーラーがあり、外国切手を多く取り扱っており、僕も通っていたのですが、ある時、ブータン切手の在庫を確認したところ「あんなおもちゃ切手はうちは置かない」と言われ、あぜんとした事があります。レコード切手や3D切手で有名な同国ですが、ファーストシリーズは普通の切手ですし、変わり種切手も郵便に使用されている以上は切手の一つです。実際、変わり種切手の使用例は最近、世界のトップクラスのオークションハウスでも取り扱われるマテリアルになってきています。本当の知識があれば、究極な発言をすることはないでしょう。もしくは無知の知であってもよいかもしれません。無知なディーラーだったためか大きくなる事はできず、一台限りの切手商でつぶれてしまいましたが。

一方、僕はスイス初期の切手を集めているので、1864年までに発行された切手だけを取り扱っているディーラーとも取引をしています。この業者は二代目に引き継がれ、大きなビジネスに成長しています。ターゲットマーケティング上、クラシック切手に集中していますが、決して、敵を作る様な、どこまでが郵趣の範囲などという発言はしません。

彼らが傲慢であれば、1871年以降に発行された日本の切手など、全て集める価値のないものということになってしまうでしょうが、自分たちにそんな事を言う論拠がない事を理解しているため、先の日本のディーラーの様な無知発言はしないのです。自分が集中する範囲、興味を持つ範囲を決める事は大事ですが、その範囲外へは無視は許されても無知な非難はしないべきです。

私の友人がやっているからというわけではありませんが、切手の貼り絵も風景印も、それにより郵趣の裾野が広がっていると私は感じます。少なくとも確実に言えるのは郵趣の裾野が狭まっているとは感じないという事実で、そちらの方がはるかに大事です。

もちろん、切手の貼り絵を楽しんでいる方が、FIPルールで運営される切手展に作品を出す様になるにはかなりパラダイムシフトが必要だというのはよくわかります。以前古沢君とも意見交換したことがありますが、風景印の収集から入った方についても同様の状況と考えてますという僕の意見とほぼ一緒でした。

ただ、僕がここで強調したいのはその波及効果です。
貼り絵を楽しんだり、風景印収集をされている方に伴われて切手の世界をかいま見た子供たち、家族達は、必ずしも同じ貼り絵や風景印を好きになるだけでなく、別の切手の収集に興味を持つ可能性があるということです。

これを、あまりに遠回りの期待と捉えるかどうかは、各人の持つ時間軸次第です。(ちなみに、スタンペディアプロジェクトの時間軸は、国際競争展参加者を念頭においた上で掲げる「30年後の郵趣人口の確保」に表されています。)
そして、ある打ち手の評価には必ず費用対効果の測定が大事なのであって、スタンペディアプロジェクトとして全く予算をかけていない両分野は、仮に十年に一人でもそういった人が現れてくれればROIとしては極大値になるので、是非どんどんすすめて欲しいなと考えていますし、私個人としては、風景印は戦前を中心とした一部の実逓以外はほとんど興味をもっていませんし、貼り絵については自分でやろうとは思っておりませんが、他者の宣伝のお手伝いなどであればできる範囲でしたいと思います。

少なくとも、無知に基づいてそれらの楽しみ方を批判するのは、無知な批判でしかなく、自分の収集範囲を同様に言われたらどう思うかという類推力を活用して、公にすべきではないと考えています。これは、私たちが掲げる「30年後の郵趣人口の確保」の観点からの意見です。
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[ 2013年05月22日 21:05 ] カテゴリ:opinion | TB(0) | CM(5)
オームスタンプの店主はいい人でしたよ。
ブータン切手(変り種切手も含めて)は置いてありましたよ。あの貼込み帳ご存知ですよね。ブータンのものもありましたが、あなたは見なかったんですか。
[ 2014/10/02 03:48 ] [ 編集 ]
オームスタンプの店主はいい人でしたよ。
ブータン切手に限って言えば、レコード切手もプラスチック切手も実際に郵便に使われた使用済みを貼込み帳で見つけて、私自身が買った記憶があります。オームスタンプの店主があなたの言うような発言をしたとは到底信じられないですね。いい店でしたよ。いい思い出でした。
[ 2014/10/02 03:56 ] [ 編集 ]
切手商の店頭で
子供の頃にはいろんなやり取りをしました。
先生と学童の関係のようでもあり、教えてもらうこともあったり、揄われるような言動を受けたこともありましたが、楽しい場所、楽しい時間でした。
あの頃の思い出のいち切手商に、今もJAPEXのブース回りの最初は自然と足が向かいます。

bloger氏のノートに、子供時代のちょっとショックな記憶が記載されているようですが、少なくとも切手商氏の人格を否定するようなニュアンスは私は感じませんでした。
[ 2014/10/02 19:48 ] [ 編集 ]
不躾なコメントをお詫びいたします。
まず、不躾なコメントをお詫びいたします。

私は詳しくはありませんが、ブータンの変り種切手の中には本当に郵便に使われなかった物もあるのではないでしょうか。そうでなくとも、当時は実際に郵便に使われたかどうか未確認のものもあったと思います。そこで、オームスタンプの店主が、ブータンの変り種切手はおもちゃであって本当の切手ではない、という趣旨の発言をされたのかもしれません。


 


[ 2014/10/03 01:34 ] [ 編集 ]
 私が現在会いたいと思っている0氏の事であればそれはあなたの誤解かもしれませんよ。
私が切手収集の喜びに目覚めたのはo氏の言葉でした。

 「切手は集めるためものではありませんよ。使われるものです。未使用の切手を集めるなら
 ご自身が本当に美しいと思ったものになさいない」といわれたのです。
 私が使用済み切手収集を本格的にお集めるきっかけとなりました。

 およそ20年前のはなしです。
[ 2015/05/18 00:00 ] [ 編集 ]
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