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オンライン世界切手カタログ「スタンペディア」創始者のブログです。
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JPSがなくなったら困ることリスト

私は 公益財団法人 日本郵趣協会 を維持会員として支えています。
維持会員の年会費は26,000円(普通会員9,000円)です。あと19年以上生きてて、JPSがその時まで事業を継続するのならば、一括50万円支払いの終身維持会員よりも高くつくので、最も多く寄付する会員だとも言えます。

スタンペディアを始めとする様々な郵趣振興を自分で開始した一方で、このような高額会費を支払い、JPSを支えようとする理由はただ一つで「JPSが今すぐなくなったら困る」という一点に尽きます。

この論点は人によって様々に判断が分かれるところで、ある人は「今すぐなくなっても大丈夫だ」と言うし、別の人は「JPSがなくなったら終わりだ」と言います。ただ私が酒場で聞いているからだとは思いますが、回答者が広くフィラテリーを楽しむ人々を俯瞰して回答するよりも、自分にとってどうかという観点で述べていることが多く、基本的には、この判断については、私は自分で決めるしかないと思っており「JPSが今すぐなくなったら困る」という立場をここ数年とっています。

もっとも私の主収集範囲はドイツとスイスのクラシック。ヨーロッパのフィラテリー団体にも複数加盟しており、各国に友人やディーラーの知り合いがいますし、年に数度は彼らと出会っていますから、別に日本のフィラテリーがどうなろうが、主収集範囲にはほとんど影響がないと言えます。ただでさえ郵趣記事の少ない「郵趣」に僕以外の書いたドイツクラシックの参考になる記事が掲載されるとは思えませんし、国内最大手のジャパンスタンプだったとしても、僕の主収集範囲のドイツやスイスが僕の欲しいレベルで出品されることはないからです。

しかし、フィラテリーのおかげで、豊かな生活を送らせてもらっていると自覚している僕には、フィラテリーへの恩返しをしなければならないという意識も強く、それが郵趣振興(なかんずく日本の郵趣振興)に力を入れる原動力です。

一方で、先ほどの酒場の話に戻りますが、同じ「JPSが今すぐなくなったら困る」という意見の人と、同意できないのが「未来永劫JPSがなくなったら困る」という意見です。そんなにJPSさんにおんぶにだっこでいいのか?あなたは自分で何かしないのですか?と尋ねたくなります。

要望を出すだけなら誰でもできます。しかし一方でJPSは神様ではありませんし、予算にも限りがあります。JPSが郵趣界に提供してくれるサービスの内、一つでも多くのものを代替可能にしておかないと「JPSがなくなったら本当に終わり」という事態を招きかねません。

そこで私は数年前から「JPSがなくなったら困ることリスト」を掲げ、一つずつ潰すようにしてきています。これは一見JPSに競合するように見えるかもしれませんが、決して本意はそうではありませんし、また競合がお互いを強くする競争原理になり、受益者たるフィラテリストへのサービス向上につながると思っていますので、今日まで良くなったなぁ、と思う一方で、まだまだこれからもやらなければならないことがあるなぁ、と改めて思う次第です。


ではリスト公開です。
なお、私のターゲットとするフィラテリストは「郵趣」誌が想定する層と比べると、より昔からのフィラテリーに偏る層を想定しています。(=フィラテリスト・マガジンの想定読者層)

1 専門カタログが発行されなくなったら困る! 【解決の方向が見えてきた】
  手彫切手専門カタログ、日本切手専門カタログの発行が当面予定されていません。
  一国の初期の切手のカタログが発行されない状態はあまり良い状態とは言えません。
  ビジュアルや先日発売のJSCA普通カタログでない専門カタログはやはり欲しいですよね。

  つまりJPSが存在している現在でもこの状態はすでに問題となっています。
  しかし一方で、鳴美やスタンペディアが周辺カタログの発行を開始しており、
  すでにある程度の出版社であれば、誰でもカタログは発行できる状態になっていると言えます。
  このため、JPSがなくなっても、日本切手専門カタログに変わるカタログは発行できる状態が
  ほぼできつつあると言えます。あとは誰かが書くだけ?

2 国内で競争展がなくなると困る! 【解決】
  国際競争展ルールで行われる国内二大競争展の一方である全日展の主催から日本郵便が
  降りた2013年以降、この問題が顕在化しましたが、内藤陽介さんの孤軍奮闘で、2014
  年から全日展が毎年安定的に開催されてきています。
  全日展がなければJAPEXもなくなることは、競争展出品者にとって死活問題でしたが、
  この点は前者の安定により解決されました。
  もちろん競争展は二つ並存し、互いに切磋琢磨する方が良いのでJAPEXも是非続いてほ
  しいのは言うまでもありません。

3 500フレーム規模の切手展覧会が開催されないと困る! 【未解決】
  一方でJAPEXは全日展の2倍半の規模を誇るため、同程度の全国展としての役割を持っていた
  と思います。リーフを作るフィラテリストは必ずしも国際展を目指しているわけではありません
  ので、この需要は大きいにもかかわらず、大きな切手展としてのJAPEXの代替案はまだ見つか
  っておりません。

4 ミニペックスが開催できなくなったら困る! 【解決】
  JPSがなくなったら困る機能のうち、重要なものの一つがミニペックスです。
  首都圏限定ではありますが、月に1−2本、ミニ切手展が継続して開催されることは、参観者
  はもちろん、出品者にとってもモチベーションの維持につながるわけで、この機能が失われる
  ことは、フィラテリーの急激な後退につながると不安視していました。
  しかし、この点は来年から始まる郵政博物館の切手コレクション展により代替されたと言えま
  す。手前味噌ながら、これは大きな進歩かと思います。
  もちろん郵政博物館の展覧会とミニペックスは二つが並存し、互いに切磋琢磨すると同時に、
  各フィラテリー団体の展示機会が一つでも多い方が良いことは言うまでもありません。

5 付属品が提供されないと困る! 【解決】
  ヒンジやマウントを中心とする郵趣用品に加えて、バインダーやリーフの安定提供は、郵趣
  継続の前提条件です。これに対しては、二つの活動を続けてきました。
  (1)代替可能なものを見つけ、使い方を案内する。
     リーフをA4にし、百円ショップを活用するのは一つの方法です。
     ネットで依頼できる紙問屋を使えばA4リーフはもちろんボストークサイズも調達可能
     僕はもっぱらこのノウハウを共有するようにしました。
  (2)代替不可能なものの仕入販売を開始。
     ヒンジやマウントは仕入販売を即日発送のインターネット通販で行うことを開始。
     製品が外国製ということもあり、解決しました。

6 フィラテリーの研究を記事として投稿する場がなくなると困る!  【解決】
  「全日本郵趣」が一旦廃刊するかと思われた、2013年秋時点で「郵趣研究」は唯一無二の
  研究記事投稿雑誌でした。
  しかし、2013年冬に「フィラテリストマガジン」「全日本郵趣」「IZUMI」が創刊された
  ことにより、3つもの研究記事投稿雑誌が登場しました。
  これによりJPSがなくなったらゼロになってしまう可能性もあったフィラテリーの記事を
  投稿する場は代替案ができました。
  各雑誌は、競争によりそれぞれより良い方向に進化していると思います。

7 昔からのフィラテリストにとって必要な総合郵趣情報雑誌がなくなってしまう!【解決】
  雑誌「郵趣」の役割のうち、昔からのフィラテリストにとって必要な部分については、
  「フィラテリストマガジン」ですでに代替できました。
  今後はむしろ昔の「郵趣」にあった、総合郵趣情報誌としての部分をリバイバルしたり、
  インターネットとの融合をより進めていく新たな攻めの段階にすでに入っています。

8 外国切手の即売情報がなくなってしまう【未解決】
  外国切手の卸及びその「郵趣ウィークリー」によるその情報発信は、テーマティク/ト
  ピカルコレクターに取り重要で、なくなった場合の代替手段が見つけられていません。

9 フィラテリーの単行本が発行できなくなる/読めなくなると困る!  【解決】
  鳴美を筆頭に、スタンペディアもいるため、単行本の出版方法はすでに多様化しています。
  単行本については、執筆者次第ですが、代替手段は確保されています。

10 切手を処分するマーケットプレイスがないと安心して収集できない!【JPSに関しては解決】
  ジャパンスタンプオークションが国内No.1となったため、JPSオークションがなくとも
  切手を処分する場は確保されています。
  むしろ、問題はジャパンスタンプオークションの永続性にあり、JPSの存続とは無関係
  な次元に移りました。鯛さん、30年後まで続けてください!

以上10個ほど問題意識を挙げてみました。だいぶ色々やってきましたが、まだ3と8が未解決です。また1は今後の推移を見守る必要があるかと思います。また「解決」となったものの中でも本当に手放しで今後も大丈夫かと言えないものもあると思いますので、そちらのサポートもしなければなりません。
ですから私はまだまだJPSはなくなっては困る、と考えています。なので、引き続きJPSを維持会員として支えてまいりたいと考えております。

なお「他にこんな課題があるのではないか?」についてあればコメントをいただければ幸いです。





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[ 2016年11月11日 00:00 ] カテゴリ:未分類 | TB(0) | CM(5)
JPSがなくなったら困ることリストについて
JPSがなくなったら困ること=切手収集界のインフラであると考えますが、
その点で現在不可欠なものは、『 郵趣 』と国内競争展でしょう。

現在『 郵趣 』→『 郵趣研究 』・『 フィラテリストマガジン 』となるでしょうが、間口の面で『 郵趣 』が必要。

将来『 スタンプクラブ 』が代替可能でしょうが、吉田さん個人の負担が大きすぎる。
全日展も内藤氏個人の努力(犠牲)に負うことが大きすぎる。

その他についても、付属品提供を除いて、基本的に、個人企業またはそれに類するもの(JPS及び郵趣サービス社も同様)であり、永続性に不安がある。

しかし、郵趣サービス社以外に複数存在する現状は画期的!!

小生も微力ながら協力させていただきたく思います。


ところで、JPSは、現在事実上日本唯一、最大の郵趣組織であることは論を俟たないと思います。

しかし、問題は公益財団法人でありながらも、実質的に、落合氏(故水原明窗氏本名)一族の同族企業=郵趣サービス社の一部門にしか過ぎないことです。

そして、郵趣サービス社が業界のガリバーであるが故の公益性と事業性・経済性の齟齬、過去に収集界にイデオロギーを持ち込んだことが現状の問題の一端でしょう。

また有力切手収集家の派閥争いと独善化、それに嫌気がさした者の孤立化など過去の恩讐との訣別も必要でしょう。

JAPEX2016の企画展示『新動植物国宝』がその一助になればと思いますが、過日のブログでおっしゃられていた「消しゴムを忘れたから貸してくれ」という体制では・・・。
[ 2016/11/11 20:26 ] [ 編集 ]
霜人さん、コメントありがとうございます。
『郵趣』と国内競争展への着目は僕も同じです。

色々批判を受けていますが間口を広くする『郵趣』の試みは僕も注目しています。
ただその成果として、新たな収集家の母集団が形成されているのかどうかが見えてこないですね。切手女子で年会費1万円近くを『郵趣』の購読代金に支払っている方の数とかわかりませんかね。

僕は1960年代の『郵趣』を目指してフィラテリストマガジンを製作しています。そのターゲットとするところは、現在の『郵趣』がターゲットとする層よりもかなり狭いと思います。

このフィラテリストマガジンと『郵趣』のターゲットの違いはどちらが良い悪いという問題ではなく、郵趣の普及をどの層にさせたいかという思想の違いで、経営方針の違いなのです。

僕の願いとしては、1960年代の『郵趣』のような総合情報雑誌でせめて購読者が2000人くらいになってくれればいいんですけどね。

ちなみにスタンプクラブが代替することはありません。あれはあくまで青少年向けの電子メールマガジンへの導入パンフレットの位置付けです。彼らにはいかにお金を付属品などに使わせずに、まずは切手に親しませるかを考えています。

全日展の継続は内藤さんの獅子奮迅の戦いでなんとか持っている感じですね。是非これが継続することが大事です。

この二つ以外は僕はもう心配していません。IT革命で本当にフィラテリーには恵まれた環境になりました。

しかしJPSにはもう暫く残っていてほしいと思いますし、新たな独占者を生まないためにもできる限り続いてほしいと思っています。

[ 2016/11/11 20:41 ] [ 編集 ]
横合いからコメント失礼します。かれこれ20数年前のジャペックスでは、鋼鉄製のごっついフレームを使っていました。重いけどとても頑丈だったのです。バブルだったか、協会内の政治的な理由だか、今の軽いフレームに全て交換。結果、耐久性、安全性はガタ落ち。
協会は中華人民共和国の切手代理販売権を持っているだけでしょう。英連邦系の販売権は渋谷の切手屋さんが持っているし。新着情報に影響ないと思うけど。。
[ 2016/11/11 21:14 ] [ 編集 ]
shiggyさんコメントありがとうございます
かつてのフレームは、米国製だったのですが、製造会社がなくなってしまったことが一つの要因です。また国際展が開催されると終了の度に日本郵便がフレームを降ろすのですが、この中、2001年展のものは、鋼鉄製のすごいフレームで、未だに地方郵趣会などで見られます。これの欠点は重さと扱いにくさで、活用されずにかなりの数が廃棄されてしまいました。頑丈すぎてもダメなのです。

JPSがJAPEXでワンフレーム部門などに使用していたフレームは、軽いフレームですが、私は良いフレームだと思います。というのは、鋼鉄製のフレームは破損が多い上に、高齢者を中心としたボランティアの手に負えないことが多いからです。なかなかベストなフレームは見えてきませんが、少なくとも、国際切手展WSS NY2016で使用され、世界中からDisposal Frameと揶揄されたフレームよりははるかに優れていると思います。

外国切手に関して、切手の販売と同様に大事なのは、その情報の伝達をどれだけ迅速にできるかです。本論では名称を出しませんでしたが、これは「郵趣ウィークリー」のことを言っています。これに代わるべきメディアは残念ながら現在ありません。ここはJPSさんに頑張ってもらうしかないので、JPSがなくなったら困ることで未解決の2点の一つに挙げさせていただきました。

[ 2016/11/11 21:26 ] [ 編集 ]
『 スタンプクラブ 』の位置づけについて
『 スタンプクラブ 』の位置づけについて吉田さんの考えは理解しているつもりです。

切手ブームの経験はなくとも、同時代史として知っている大人(希望的に見積もって、おおむね、30代後半?)は、『 郵趣 』がなくても、この趣味へのアクセスは可能でしょう。

『 スタンプクラブ 』は、年賀状を出す習慣がなく、切手や郵便に接することの少ない、デジタルネイティブなユース世代をこの趣味(絵てがみ・局メグ・郵貯の者務印
収集から専門収集まで)に引き込むためのツールだと理解しています。

余談ですが新人研修で、各種郵便の出し方も教えなければならない時代です。
[ 2016/11/12 01:26 ] [ 編集 ]
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