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富士鹿8銭赤の初期使用例

ある人が「富士鹿切手をどれくらい理解しているか?」は、「どの富士鹿切手が最も収集が難しいか?」を質問するとわかります。

一般的には、1929年シリーズの「改色切手・DIE I」 (日本のフィラテリーでは「旧版」と呼称されることが多い)と回答する人が多いでしょう。これはカタログ値が高いことからも有名な難しい切手です。

メインナンバーごとに使用例を含めて収集していった人だと「1937年シリーズ毛紙20銭青」と回答するのではないでしょうか。発行期間が短く、20銭紫が残っている間に白紙に変わってしまった局もあるようで、使用局も限定され、使用例の種類も限られます。

では競争展に伝統郵趣に取り組むレベルまで理解している人だとどう回答するかというと「1922年シリーズ8銭赤の震災前製造」と回答すると思います。先日、天野さんと話す機会があり、全く同様の事をおっしゃっておられました。さすが天野さんです。

先ほどの2種類の切手は、数万円程度〜のお金で解決できる切手です。セミクラシックですから、100万円クラスのものなんてなかなか存在しません。複数枚貼りだって市場には出回っています。このようなシリーズで難しいのは市場評価が高くないにも関わらずほとんど存在しないtreatment上のキーとなるマテリアルの入手です。

伝統郵趣できちんとコレクションを作っていこうとして、当時の販売・使用状況をみていくと、1922年シリーズは発行されてから暫くは田沢切手の在庫消化が優先されて一部の例外を除き郵便局で販売されないうちに関東大震災で全部燃えてしまい、印刷版まで燃えてしまったので、震災前の第1期製造分と震災後の第2〜4期製造分は、意味合いが大きく異なります。見た目で目立つ「白耳」は実はさほど珍しくなく、3期、4期と見た目があまり違わない1期の銘版は大変珍しいことになります。

3額面の中でも8銭赤は、未使用・使用例共に、私も滅多に出会う機会がなく、多少状態が悪くても入手機会を逃したくないマテリアルです。第1期である事を証明するには、銘版付きマルチプルか使用例であることが望ましいのですが、単貼り外信葉書以外のマテリアルはなかなか入手できません。そんな中、発行年4月の使用例を入手できましたのでご紹介いたします。

2018年03月07日11時31分32秒

書状左部に「浦塩行」と書いてある通り、ウラジオストック宛です。1922年はソビエト連邦成立の年ですから、混乱もありなかなか面白い宛先ですが、このカバーは数万円の安い方で入手できました。宛先以外のポイントは、本書状が一般商用便だということです。富士鹿切手は日本のフィラテリーで初めて発行中にプレミアムがついて販売された切手で、木村梅次郎が取り扱っていたことが知られています。木村は富士鹿切手の使用例を意図的に作っていたようで、残存数少ないながらも木村関連カバーが半分以上を占めます。このような状態ですので、木村関連カバーでないだけでも意味があるのですが、さらに一般商用便であることが、私が本カバーを強く欲しいと思った理由です。


Mixed franking of 1922 issue 8 Sen with other stamps
tied by black c.d.s. with a roman letter c.d.s. in blue beside
KYOBASHI to Vladivostok, Russia via Tokio 11 3 29 (1922)

40 Sen correctly paid for registered letter, 20 for letter and 20 for registration fee.

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[ 2018年03月07日 12:05 ] カテゴリ:富士鹿・風景 | TB(0) | CM(2)
関東大震災後使用の外信はがきにも、田沢旧毛紙8銭の貼られたものは見られます。
このことから、「従前の切手」がなくならないと、新しい切手が使用されなかったことがわかります。
それに関東大震災による被災が加わったのですから、少ないはずですね。
[ 2018/03/08 09:01 ] [ 編集 ]
tabito様コメントありがとうございました。
田沢旧毛紙8銭は、1929年に発行された、改色富士鹿8銭の時代でも使われていた場所があるくらいです。これは、そもそも外信私製ハガキの需要が少ない上に、同8銭料金時代が4年弱ほどで終わり、以後目立った適切な使用目的がなくなったことも一因と考えています。
焼失した郵便局以外の郵便局に配給済み等の田沢旧毛紙8銭の量はそこそこあったと思われますので、この点からも関東大震災以降に同切手が使用されたであろうことは推定していました。ただ鎌倉さんと以前お話しした時には、それでも、使用例としては少ないようなニュアンスのお話をされていらっしゃいました。
ここについては、田沢旧毛紙8銭の震災後の使用例をこまめに見ていく必要があるなぁ、と思っている次第です。
[ 2018/03/08 09:10 ] [ 編集 ]
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