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富士鹿・風景切手 年季を手に入れるきっかけは、年月ではなくチャンスだった

世界的にはほとんど無名の「富士鹿・風景切手」を、5月末にイスラエルで開催される世界切手展に初めて出品することになりました。

この分野の収集歴が4年に満たない私のコレクションですが、富士鹿・風景切手に関するコレクションとしては、ここまで完成したものはないと自負しています。そのポイントは二つあり、収集開始から早い時点で、同切手に関する大コレクションの大半を目にし、研究する機会に恵まれた事と、それに続く大コレクションの売り建てに参加できたことにあります。広島蒐郵会の横矢さんのコレクションを最初に学んだ上で、JPS菊田沢切手研究会の山口充さんのバランスの良いコレクションを拝見しましたが、圧巻だったのは書籍でモノクロで見た林国博さんのコレクションでした。

その後拝見したコレクションで、この時同様に圧倒されたのは、杉山幸比古さんの風景切手の専門コレクションを拝見した時です。自分の知らない製造面バラエティや特殊な使用例がこれでもかと展示されており、会期中なんども展示を実物で拝見するとともに、厚かましくも作品コピーをお願いしたことを昨日のことのように覚えています。

ところで、「年季の入った良いコレクション」というフレーズは、「良いコレクションには年季が入っている」という意味で使われる事が多いですが、その逆は、数学的にいえば「逆もまた真ならず」で、年月をかければ誰でも良いコレクションが作れるという訳ではありません。それに加えて証明=実現したかったことは、年月が短かろうが、圧倒的なマテリアル量と集中した濃い研究時間を組み合わせれば、既に知られている珍品の入手機会に恵まれた上に掘り出すことが可能なケースが伝統郵趣でも少なからずあるということでした。

実はそのようなアプローチは郵便史的には常識ですが、日本の伝統郵趣にそんなスポットエリアはないと思われていたのかもしれません。「富士鹿・風景切手」は林国博さんをのぞいてほとんど国際展に挑戦されなかった忘れられた分野であり、スポットエリア足り得たのだと思います。

このような「年季」を短期で入れている私の活動が決定的になったのは、その林国博さんの富士鹿・風景切手コレクションの売り建てに参加できたことです。今となっては80枚近く存在すると言われる11Lの20銭青ですが、リジョイントでない唯一のブロックやそのカバー、2銭富士山の銘版ずれなど、コレクション集でしか見たことがなく、その大半が1-5点程度しか存在しないと言われたキーマテリアルをどれだけ手に入れることができるかによって自分のコレクションに注入できる「年季」もかわります。

その売り建てには並々ならぬ決意で参加すべきなのですがあいにくヨーロッパ出張中。メールビッドに任せるものは、実際の落札金額をはるかに超える値段でビッドしたうえで結果の読めない11Lのカバーは、欧州からの逆テレフォンビッドをかけました。

その結果はあっけないほどの圧勝でしたが、特筆すべきなのは、お金任せで高い金額で買ったのではなく、富士鹿・風景切手があまりに人気がなくて、事前入札もフロアもほとんど競らなかったからです。収集ジャンルをブルー・オーシャンにした事がプラスに働いており、私は林さんの長年に渡る収集のキーマテリアルをその「年季」とともに自分のコレクションに加える事ができました。

ちなみに3回に分割された同売り建ては、最後の一回だけ値段が高騰し、それ以降、富士鹿・風景切手の価格が高くなってきたような気がします。ちょっとでも珍しいマテリアルになると、メールビッドで落とせないことも最近は増えつつあります。しかしながら、質・量ともに充実していた、日本一の林国博コレクション3回の売り建てに立ち会えたというほどの幸運は、後にも先にもありません。

あの売り建ての前に林コレクションのキーマテリアルを入手する為には20世紀に遡らなければ不可能です。
そして、あの売り建ての後に特に富士鹿切手のキーマテリアルを入手する為には私が手放さなければなりません。

そう考えると、「収集は年季」という単語は、単に年月の問題ではなく、どれだけ濃く収集したか?という点に加えて、チャンス=機会に大変大きく影響される事が証明できたのではないかと思います。



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[ 2018年05月21日 19:27 ] カテゴリ:富士鹿・風景 | TB(0) | CM(0)
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