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外国切手をどこで売るか?

池田健三郎ブログで久々に面白い記事を見つけたので、反応してみます。第330回 JOHN BULLオークション(香港)という記事で、かいつまんで言えば、

(1)日本郵趣協会の福井理事長が香港のオークションで満州のネームセールを行なった。(97%の落札率で500万円超)
(2)JPSオークションをはじめとする日本オークションで売っても結果は同じだったろうし、日本で売ろうが海外で売ろうが課税から逃れることはできないのだから、JPSオークションに出品しない理由がよくわからない

ということであろうと思います。


私は池田さんとは以下の二点で意見を異にします。
A)「このグローバル時代においては、売却地により結果に大差が出ることはない」は事実誤認
B)「より高く売れる場を求め、自らの利益を最大化すること」はJPS幹部については問題となる。

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A)「このグローバル時代においては、売却地により結果に大差が出ることはない」は事実誤認
池田さんによれば、その様なコンセンサスがあるとのことですが、首をかしげざるを得ませんし、実際に事実と異なるでしょう。私の持つスイスのカントンを次の4つに出品した場合、もっとも高く処分できるのは十中八九最後の選択肢です。

(1)木戸くんがオークショニアを務めるスタンペディアオークション
(2)JPSオークションなど日本の一般的なオークション
(3)ドイツのガートナー
(4)スイスのコリンフィラ

池田さんのいう「グローバル時代」はあくまで外部環境の話で、その中でグローバル企業として振る舞うには、まずディスクリプションを英文提供し、オークションアグリゲーターサービスに引っかかる対応が最低限必要です。これすらないと、そもそも国際的な転売業者の選択肢にはいりません。この点、そもそもJPSオークションは英文情報を提供していないサービスですから、スタート地点から遅れているのです。

もちろん日本に住む外国人収集家/ディーラーも多い昨今ですから、一部の人たちから情報は伝わるでしょう。しかし十万人単位で会員を持つオークションアグリゲーター経由に比べれば波及率は低く、結果として競らずに不調に終わるでしょう。競売は人と人の競い合いですから、一人でもキーマンが参加しない可能性があったら致命的です。

これに加えて、JPSオークションのネックは、カタログ配布からフロア当日までの期間が短すぎることです。欧米のグローバルな経営を行うオークションハウスは、カタログを発表してからパブリックオークションまで優に一月以上の時間をあけ、その間にマーケティングを行います。また、転売業者も買い手探しやキャッシュフロー確保を行います。二週間程度の時間的猶予ではどうしようもないでしょう。

つまり外国切手の本格的な販売を行うにあたり、JPSオークションは、スタート地点にもつくことができていないのが現状で、逆に言えば、安く仕入れて海外で販売しようとする転売業者にとっては魅力的な場だと捉えることができると思いますし、それが一つの魅力でもあると思います。

では、英文情報を提供しカタログを早く配布することができれば、日本でコリンフィラ同様の値段でスイス切手を販売することができるのかと言えば、それも夢物語でしかないでしょう。スイス切手のトップフィラテリストの中には、切手の取引業者を数社に限定している人も少なくありません。

切手の売買を生活の中心に置いている人には類推しずらいかもしれませんが、忙しい仕事の合間に切手収集をしている人の中にも多額の切手を買う人は少なからずいますが、彼らからしたらむしろ世界中のオークションをくまなくみる手間をかけるくらいだったら、掘り出さなくても良いし多少高くなっても良いから、信頼できる業者から買うという方を好みます。少し想像力を働かせてみても、手彫、小判から昭和に至るまで、日本切手のトップコレクターで、海外のオークションには一切参加せずに国内の数社でのみ買っている人がたくさん思い浮かぶでしょう。

結論としては、切手はどこで売るかによって結果が大いに異なる商品であり、今回のセールにおいて出品者は、自分の満州コレクションを処分するにあたり、JPSオークションではとても結果が期待できないと考えて、香港でのセールを選択したという極めて合理的な判断だと思います。


B)「より高く売れる場を求め、自らの利益を最大化すること」はJPS幹部については問題となる。

ところで、切手は個人の資産ですからどこで売ろうと構わないと思います。これに徒に制限をかけることは財産権の侵害であることは根拠を説明するまでもないことかと思います。実際に池田さんもご自身の運営するスターオークションだけが唯一の切手の販売の場ではなく、オークションであるか否かを問わずいろいろなところで打っていらっしゃると思います。なんら問題ありません。私は自分のコレクションを売るのはまだまだ苦手ですが、将来処分する時には、当然その価値をわかってくれるフィラテリストのいる場所で売りたいな、と思っています。それがスタンペディアオークション であれば素晴らしいですが、そこまでに成長するのはなかなかに難しいことだとも思います。

「個人の資産処分の自由」を財産権の不可侵の観点から理解した上でも、それでも私はJPS幹部については、自社オークションに出品する道義的責任がある、と思います。なぜなら毎年500-600名の会員減少が続き財政の厳しいJPSは、現在の会員に対して「JPSオークションの収益なしには、JPS自体の財政維持は非常にきびしい」旨の発言とともに、参加者への協力依頼をしているからです。(詳細:「どうして水原コレクションをJPSオークションが取り扱わないのだろう?」)

前説(A)の通り、水原セール、福井セールの売り建てを、SPINKやJohn Bullではなく、JPSオークションで行なったら、結果はかなり下がったと予想します。しかしJPSが会員に対して依頼したのと同様の果実が手数料としてJPSニ入金した事でしょう。その金額はJAPEX程度の展覧会を何回も開催できるほどの金額であり、会員に対して、(高く売れないかもしれないが)財政を維持する為にJPSオークションに出品してほしいと協力依頼をするのであれば、JPS幹部の出品はJPSオークションに限定するのが筋だろうと私は思います。

もっとも私は、その様な「個人の資産処分の自由」に反して会員の善意にすがるような依頼をした事こそがおかしな事だと思います。宗教ではないのですから、そのような依頼はせずにビジネスとしてサービスの改善を行うほうが大事だと思いますし、できないのであれば市場から退出すれば良いだけの話です。切手のオークションというのはビジネスなのですから、主催する各社が、各々の長所を伸ばし、特徴のあるマーケットプレイスを展開し競い合う中で、フィラテリスト一人一人に対して「個人の資産処分の自由」を提供することが大事で、その全体像を持って初めて公益に資することができると思います。

結果として幹部自らもまた会員をも縛る様な「JPSの財政を維持する為に出品協力してほしい」などと言う出品依頼を行なったことを、JPSは会員に対して取り下げることが健全化の第一歩だと思います。

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[ 2018年12月18日 16:02 ] カテゴリ:未分類 | TB(0) | CM(0)
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